自社で栽培した葡萄で造ったワインを紹介しています。
ブドウは私にとって戦友と表現するに値する存在です。
言葉こそ交わすことはできませんが、言葉以上のもので繋がっている気がします。
私たちは一年を通して目に見えないものと戦っています。
ブドウと話すことができれば、何が足りないのか聞くことができて、どんなにか楽なんだろうといつも想像します。
どの年も自分のやりたいこと、できること全部つめこんで正直に真正面から全力でぶつかったワインです。
その年のブドウを余すことなく全てを使い、身体に溶け込むような柔らかい液体を造りたい。
不器用な頑固者が造ったワインですが、飲み手の人達それぞれに合った何かが伝われば
いつも応援してくださっている方たちにはここでお礼を申し上げます。
やっと自分たちのブドウで造るワインをお届けすることが出来ました。
いつもありがとうございます。
12/10 2024 LES VINS VIVANTS
シャルドネはどこの国のどんなものでも一度は飲んだことのある白ワインだと思います。
ということもあり、飲む前にイメージをつけずに向き合っていただきたいとの思いから、いつもの様な味わいの詳細をつけることはやめました。
ただ、出来上がったばかりの21年は不安も大きかったのですが、自信をもって皆様の前に出せる状態に変わったのは事実です。
23年ももっと良くなると思いますが、初めて出すワインです。
ピークがいつになるのかなんてわかりません。
お確かめいただければ嬉しいです。
今は亡きChristian Chaussard の Saint-Jacques を初めて飲んだのが2007年。
粘性の高い果実のエキス分がとても凝縮したワインに衝撃を受けました。
以来シュナンブランに求めるものは綺麗な酸というよりもとろみを持つくらいの凝縮したワインです。
強靭な酸を持つシュナンブランは完熟してこそ真価を発揮する晩熟品種と考えて11月になるまでは収穫をしないというスタンスで栽培をしています。
実際に栽培をしてみて、ここ東御市は日本の中で間違いなくシュナンブランの適地だと思っています。
日が当たらない箇所は11月にもかかわらず食べてみるとまだ酸っぱい所もありそういう難しさはありますが、貴腐も付きとても綺麗な房が収穫できる印象です。
11月まで引っ張れる所は日本全国を探してもそう多くはないと思います。
2023年はとても暑い年で糖度も良く上がりました。
品質は良かったのですが収量がもう少しあればという所だったので同じ晩熟品種のリースリングと一緒に仕込みました。
目標とするワインは高い壁ですが、日本のシュナンブランもとても魅力的な個性あるワインになると思います。
将来的にはシュナンブラン単一で仕込めるよう精進します。
2016年に植樹した6年目の樹から収穫したワインです。
極少量ですがようやく初収穫を迎えました。
収穫前に病果を取り除く房の手入れをする予定でしたが思っていた以上に状態が良くなかったので予定を早めて急遽収穫しました。
そのため糖度もあまり高くありませんでした。
発酵管理はピノノワールが一番面白いです。
毎日表情を変えお酒に変わっていく終盤にはしっかりピノノワールになっていきます。
生産本数も少なかったのでリリースは全く未定でした。
瓶詰めから1年後に試飲しましたが状態は瓶詰め時とさほど変わらず。
それが丸3年経って試飲したところ素晴らしい状態に変化していました。
収穫が早かったと思っていましたが結果として綺麗な酸が残りました。
アルコール度数は高くはありませんがとてもバランスの良い状態になったと思います。
一番好きな品種は何ですかと問われたらガメイと答えます。
それくらい私達はガメイが好きです。
まだまだ日本では生産数が少ないガメイの樹を植えたのが2016年。
毎年苗を植えて少しずつ増やしていますが樹勢も弱くなかなか育つのに時間がかかりました。
数年前から少しは収穫できていますが少なすぎてピノノワールに混ぜざるを得ませんでした。
それが2024年ようやく単一で仕込める量が収穫できたので(とは言っても極々少量)満を持して仕込みにあたりました。
Marcel Lapierre に始まり、Philippe Jambon、Jean Foillard、Guy Breton、Yvon Métras、Jean-Claude Lapalu、Sylvere Trichard、Romuald Valot、Rémi Dufaitre、Christian Ducroux、 オーベルニュのFrançois Dhumes、Domaine de Peyra等数々の素晴らしい造り手のガメイを飲んできた私達だからこそ、このガメイ2024がフランスのそれとは全く異なることは私達が一番わかっています。
本当は年内にリリースしたかったのですが流石に味がまとまらず年明け 1月のリリースを選びました。
それでもこれが日本のガメイかとがっかりされる方も多いかもしれません。
しかし酒質はとても綺麗です。
今回同時リリースしたピノノワール2021もできあがり直後はガメイ2024のような印象で、いつリリースできるかが悩みどころでした。
それが3年を経てとても素晴らしい液体に変貌してくれたのでガメイ2024も熟成すればガラリと変わると確信しています。
例年9月になれば寒暖の差も大きくなってくるのですが、2024年はいつまで経っても暑いままで夜温もなかなか下がらず糖度も上がりきらずでブドウの色付きも良くありませんでした。
これが2024年の特徴かと思います。
2014年にボジョレー地方を訪れその後2015年に東御市に移住して感じたことは、何となく気候が似ているということでした。
ここならきっと良いガメイが育てられると思い今日に至ります。
今はもうワイン造りを辞めていますが、ボジョレーで一番お世話になった造り手二Nicolas Testardで学んだことを実践できるのはこの場所だと思っています。
そして、私達のガメイ2024は今後成長するであろう日本のナチュラルワインのガメイのエポックメイキングだと思います。
自社で栽培した葡萄で造ったワインを紹介しています。
Date de sortie 12 janv. 2025